階段を駆け上がる〜2010年の気まぐれ飛行船
片岡義男氏と鴻巣友季子氏の対談を聞きに行ってきました。「階段を駆け上がる」という新刊書が上梓されたのが今年の7月で、その販促イベントという位置づけです。
片岡氏は、かつて「気まぐれ飛行船」というFM番組をもっていました。1980年代のことです。
その渋い美声と落ち着いた話し口調で人気だったのです。
いまでもとても印象的な話し口調です。どのような声質かといえば俳優の細川俊之氏にどこか似た感じなのですが、細川氏ほど気障でもなく。さらに淡泊な口調の話しぶりですね。
さてそんな片岡氏の肉声を聞くのは、たぶんその番組が終わって依頼です。
その口調や声質が、2010年になってもいっこうに変わらないのに驚きました。とても、今年で70歳になる老人とはとても思えない。さすがに後頭部の髪は薄くなっていたし、顔のしわは深くなったのですけど。
どこか青年の印象を残したまままなのです。もうじき敬老の日だし、たぶん区役所から敬老の日イベントに参加を勧誘する葉書などが届いているはずのですけど、片岡氏にはまるで関係ない印象です。
この日、鴻巣友季子氏との対談は、「気まぐれ飛行船」という番組をすぐさま思い出させるような印象でした。当時のパーソナリティ温水ゆかり氏との会話が聞こえてくるようなものです。
対談の終了後には、その新刊書にサインをいただいたので、「片岡さん、握手して下さい」と言ったら、しっかりと両手で握手して下さいました。
この力強さなら、決して介護保険など関係ないでしょうね。
彼にとって介護保険はまるで興味の対象外だった。
片岡氏が介護保険を扱う文章をかけば、こんな感じでしょうか?
きっと、いや絶対に書かないですね。