あっさり
髪が伸びたので床屋に行った。
その日の店は、いつもより繁盛していて、長めの待時間を過ごしたあとで、僕が椅子に座ったときだ。
床屋「もう春も近いし、スッキリしますかぁ。」
僕 「そやな、短かしょうか。」
床屋「どのくらいにしますか?」
その店に雑誌があって、エリック・クラプトンの記事と写真が載っていた。新作の宣伝を兼ねた記事のようだった。クラプトンは短髪がキリリと決まって、男前に写っている。
僕 「クラプトンみたいにできる?」
床屋「無理。」
あっさりと、しかしきっぱりした返事だった。髪の長さはマネできても頭の形が違い過ぎるそうだ。プロやったら、何とかならんか。ならんのやろな。でも、お世辞くらい言って欲しかった。
(宏)