はたらくには変わらない
当店スクリオには車椅子などの修理をご希望なさるお客様からご連絡をいただきます。
愛用のお品は、生活環境の一部といえるので、できるだけ修理にご協力するように努めるのが当社の方針。
当店でお求めいただいたお品でなくても修理できるもの、修理先がわかるのもは修理を当店で受け付けるなり、もしくは修理のお申込先をご紹介するのですが、なかには製造会社がなくなっている場合があります。
そのお手上げのブランドで代表的なのが下記のブランド。
マンテン
ローマ字で、MANTEN と書いていたりもします。
気概のあるメーカーさんでして、ベビー用品や身障者向けの製品も作ってらっしゃいました。
よそのメーカーでは作らない、マニアック?というかニッチ市場を対象にした製品を発売していましたし、それゆえ好んで使っていたお客様がいたのですが、残念なことに、2002年倒産なさってしまいました。
いまや、部品の供給もうけられない状況です。
マンテンさんの本社は、大阪市浪速区だったので、ここ関西ではそこそこの数を販売なさっていたようで、いまだにこのブランドの製品を修理できないかとお尋ねをいただくことがあるのですが、残念ならが当店ではどうしようもありあません。
さて、そのマンテンさんの製品ですが、昨日にうかがったマツ六さんのショールームでみつけました。
身体障害者用のバギーなのですが、段差を乗り越えるデモなどでお使いのようです。 いや、しかし懐かしい。
横からこの身障者用バギーを見るとこんなふう。
さて、この会社さんが印象的なのは、実はそのロゴマーク。『にんべんに考える』=『侤』という文字を使っていました。
こんな感じ。(ただしマンテンさんのロゴマークは、これとはちがう意匠です)
読めそうで読めない文字なので、関西ローカルのテレビ番組などのメディアで小ネタとして何度か取り上げられていたのを僕はいまでも覚えています。
テレビに出ていたその会社のひとが言うには、 昔の労働は人が動くことだったが、現代の労働とは人が考えること。それを体現するため、当社の創業者が『侤』をマークにしました。
なお、読み方は「まんてん」です。 たしか桂文珍さんが司会のバラエティー番組だったと思いますが、このような主旨のことを語っていらしたのを覚えています。
これを聞いてもっとも思う部分もあれば、無茶な読み方とも思うところもあったのですが。 労働とはどんな種類の仕事であろうと考えずにはできませんから間違っていません。
なお、「侤く」の読み方ですが、菅原義三 著『国字の字典』(東京堂出版 1990年)によれば「侤」は「はたらく」の意であるとの記述があるので、「はたらく」が正しいように思います。
身体を使おうが、頭を使おうがはたらくには変わりないのですね。