国際福祉機器展 HCR2018の1日目
福祉機器の展示会。日本で大規模なのがこれ。国際福祉機器展、通称HCR2018のが今年も東京ビッグサイトで開催されました。
期間は10月10日の水曜日から12日の金曜日まで3日間。
当店では今年も視察に出向いて来ました。
福祉機器は介護ベッドや車いすといったメインストリームのモノや、介護食品など生活に密着したモノなど最先端のトレンドを観ることができるので、毎年開催が待ち遠しい3日間。
この業界のイマやこれからの変ってゆく方向を垣間見ることができるので、この展示会で得られる情報はかなり貴重なのです。
出展品は、すでに市販している製品もあれば、これからつくるかも知れない試作品、来場者の反応を見るためのコンセプト提示などもあって、見応えのある内容なんですけど、なにぶんにも会場が広いわ、出展者の数は膨大だわで、全部を見てまわることは到底できないのがくやしいところ。
それでも、できるだけ当店の扱い品は見るようにはしてますが、見落とす展示は少なくないのです。
さて国際福祉機器展の会場で見た展示品をご紹介。
今回はその1日目です。
ことしの特徴は、ロボット・テクノロジーの導入とインフォメーション・テクノロジーの活用でしょうか。
インフォメーション・テクノロジーはITと呼ばれている分野
ロボットテクノロジーは、大雑把にわけて2種類にわかれます。
1つは、ロボット技術で、歩くことが困難ひとが歩くことを目的にしたモノ。
もう1つは、ロボット技術で、介助者が持ち上がる動作を補助するモノ。介護労働者の身体的負担を軽減することが目的ですね。
まずはコレ。
足腰が弱ったひとの下半身に装着して歩行を補助する装置
筋力を補助するので、歩行動作が随分と楽になるそうです。電気のモーターで動作をアシスト(補助)します。
あくまでも歩けるひとが装着する福祉機器。
もうひとつのこれはもっと斬新で、歩行がまったくできないひとが歩けるようにする機器。
脊髄損傷社用カーボン長下肢装置C-FREX
下肢がまったく動かないひとが自分の脚で歩けるようにする装置だそうです。外骨格装具と呼ぶ部類に入るそうです。
画期的なのは、外部の動力を必要としない点。それでどうやって脚を動かしているのか、電気を使わずにどうやって脳からのコマンドを動作に反映させているのか、説明を聞いても僕みたいな素人にはうまく飲み込めませんでした。
ほとんどの素材がカーボンファイバー製なのです。部品の一部は3Dプリンターで製造されているとは開発者さんのお話し。いまや素材がカーボンファイバーであろうと3Dプリンターで作れてしまうとは驚きですね。繊維方向に気をつけないといけないのが、普通の3Dプリターとは違うそうです。
発売されたら是非とも欲しい製品ですね。
ロボットの概念がとても広いので、ロボットの言えるのかどうかはわからないのがコレ。
自動で寝返りをさせるベッド
この写真にうつる青緑のマットレスですが、右側が上がっているのがおわかりでしょうか。
こうやって右に左にとマットが上がることで、寝返りを支援します。
この機能自体は、さる大阪の小さな工場さんがかつて実現させていたものですが、この製品は背もたれや足元がわずかですが持ち上がる機能を備えているのが進化してます。
さてこれは台湾の福祉機器メーカーkarmaが展示していたコンセプトモデル
Smart Wheelchair iBuddy
電動で自走する車いすのような移動装置のコンセプトモデル。自分の意思で動けるようで、未来的な動きが来場者の関心を集めていました。
こういう、ハイテクもあれば、従来の技術を進化させた展示品もありまして、それがコレ。
段ボールで作った車いす
この車いす、フロントキャスター以外はすべて段ボールで作られています。素材の段ボールは、特別に強い段ボールでは無いそうです。
僕が注目したのはリアタイヤ。この作りが凝ってますよ。
車軸まで段ボールなんです。
どれだけ手間がかかってるのか。
実際に動いてましたが、重いようで、動かすのにかなり力を使うらしいので実用性は無さそうです。
車いすを動かすのに軽い力で動かせるようにとつくられて居るのが電動アシスト車いす。機能はともかく、カタチが野暮ったい製品
YAMAHAの電動アシスト車いす
さすがはGKデザインの流れを汲むメーカーさん。スタイリッシュなところが素敵です。
これが製品なのか、試作品なのかは聞きそびれてしまいました。
車いすは国内外のメーカーが数多く出展していたのですが、
台湾メーカーさんからの出展でこうい車いすがありました。
立ち上がり機能を備えた車いす
立ち上がり機能は日本ではスタンダップ機能とも呼ばれてますね。
さて、今年の日本は自然災害で大荒れ、僕の住む大阪でも、6月には地震、7月は大雨、8月は記録的猛暑、9月は台風と立て続けにエライ目にあいました。
災害のときに高齢者や身障者といった要介助者をいかにスムーズに避難させるかは非常に重要な課題です。高いビルで、エレベーターが止まったりするれば、要介助者を安全に移動させるのはますます難しくなります
そういったときに役立つのがこれ。
非常用階段避難車 キャリダン
電動モーターは備えていませんが、一般の方が避難するスピードとほぼ同じスピードで避難できるように設計されています。
荒れ地でも走破するできるように設計された車いすもあってそれが、コレ
Action Track Chair
ガンタンクを連想させるヘビーデューティーな外観ですが、このキャタピラが荒れ地でも力を発揮します。
これ、試作品でなく、すでに販売している製品です。
1日目は全体の半分も見ることができませんでした。
例年会場は東京ビッグサイトの東1ホールから東6ホールまでが会場なのですけど、今年は東7ホールと東8ホールまでもが会場になっているのです。
気付いたら蛍の光が流れてきて、閉館時間の17時30分。
朝10時から昼ご飯も食べずに見てまわったのですが、時間が足りませんでした。
この後は、福祉用具団体『安寿会全国情報交換会』の会場へと移動いたしました。