日本初? 介護施設の個浴対応、ガス給湯器が新発売
お風呂は疲れを癒す、とっておきの場所。
入浴サービスの良し悪しは、介護施設の評価に直結する重要なポイントです。施設さんが入浴サービスに力を入れるのもわかりますね。
その介護施設さんで入浴のスタイルは大きく分けて次の3つ。
- 機械浴タイプ
- 大浴場タイプ
- 個浴タイプ
●機械浴とは
寝たきりなど介護度が高い方が使う設備。ストレッチャーや車いすに乗ったまま入浴できたり、リフトを使って入浴したりまします。
●大浴場とは
時間をずらして1人ずつ、もしくは、数名ずつ同時に入浴するスタイル。いわゆる銭湯と同じですね。
介護施設のお風呂はどんなのですか?と、問われると、大浴場を思い浮かべる人が多いのでは?
介護業界では一般浴と呼ばれるのがこの大浴場。
さてこの大きな浴槽で、お湯の入れ替えってどのくらいの頻度かご存じですか?
1日に1回?
2日に1回?
いーえ、いずれも違います。
答えは「1週間に2回程度」。
衛生の確保は、浴槽に塩素を入れることで対応します。
●個浴とは
1人で浴槽を独占して使う入浴方法がこれ。こう書けば贅沢な印象さえ出てきますが、家庭ではふつうの入浴方法ですね。
個浴の良い点は、要介助者1人に介助者1人がつくので、要介助者のADLに合わせた介助ができること。プライバシーも尊重できます。毎回お湯を入れ替えるので衛生面でも安心だと要介助者さんに喜ばれます。
悪い点は、施設さんにとってはマンパワーがかかる介助だということと急変時には職員が1名で対応せねばならないと。あとお友達のとの裸のつきあいができないのも欠点かもしれませんね。
介護施設が従来の特養ホーム型からユニットケア型に変わって行くのがいまのトレンド。
介護施設の入浴形態のうち機械浴はともかく、主流は大浴場から個浴へと変わってゆくでしょう。
実はこの個浴とはガス給湯器にとっては過酷な使用環境なんです。
個浴は、利用者が1人毎にお湯を入れ替えます。
つまり1つの浴槽で1日あたりにお湯を入れ替える頻度は、5回や6回のみならず10回前後に及ぶことも。極めて厳しい環境なんです。
普通の給湯器では、過酷な条件に耐えかねてしまいます。
そこで給湯器メーカーのノーリツさんは、個浴に対応したガスふろ給湯器GQT-C2401SAWZを今月9月の1日に発売しました。
この機種は、介護施設さんや入浴サービス事業者の声を取り入れた仕様のガス給湯器なのです。
特徴は大きくわけて次の4つと言えます。
- 高耐久・高効率……業界初!ガスふろ給湯器高耐久エコジョーズ
- 衛生性………ふろ配管で雑菌の発生を低減、安心入浴
- 利便性・操作性・安全性……介助者(職員)さんの負担軽減、介護施設に適したシンプル設計
- 低いランニングコスト……省エネ性の高い給湯器、ガス料金が安い
●高耐久・高効率
介護施設の個浴はお湯はりを1日に何回も行う過酷な現場。ガス給湯器は家庭用よりずっと酷使される環境なのです。
ノーリツ 業務用高効率ガスふろ給湯器 GQT-C2401SAWZは、給湯側の熱交換器の設計を業務用仕様。
またお湯がでる出湯パイプは長時間の出湯に耐えらるようにと、その肉厚は、家庭用の給湯機より20%も分厚くなっています。
それなのに給湯器本体の芸系寸法は、家庭用ふろ給湯器でも最量販の部類にはいる機種GT-C2452AWX-2と同じサイズ(高さ650mm 幅464mm 奥行き240mm)
●衛生性
▼差し湯方式で雑菌の発生を低減
介護施設の入浴は多数の方が浴槽にひたります。浴槽内を常に清潔に保つことは、何よりも重要なこと。レジオネラ菌などの細菌類の発生や増殖を防ぐことが求められます。
業務用高効率ガスふろ給湯器 GQT-C2401SAWZは、清潔を保つためにも通常の給湯器より踏み込んだ配慮がなされています。
『差し湯方式』とは、追い焚き機能でもお風呂のお湯を沸かしなおすのではなく、『水道管の水を温めて作った新しいお温を浴槽内に注ぐ方式』のこと
通常の追い焚き機能は、浴槽内のお湯をガス給湯器に取り込んで温め直す『循環式』という方法です。
『差し湯方式』だと、雑菌が発生する可能性が『循環式』よりも低くなり、衛生を保ちやすいのです。
▼『手動配管クリーン』昨日で配管に低減
ガス給湯器の『配管クリーン』とは、追い焚き配管の内部で残るお湯を新しいお湯で洗い流す機能のこと。
ノーリツ 業務用高効率ガスふろ給湯器 GQT-C2401SAWZなら、配管の雑菌が気になったら、リモコンのスイッチを1つ押せば、配管クリーンが作動します。
●利便性・操作性・安全性
▼お湯はりは、わずか7分半!
介護施設の入浴は定められた時間内で入浴を済ませます。何度もお湯はりをする介護施設さんでは、お湯はり時間の短縮は作業効率化に欠かせません。
業務用高効率ガスふろ給湯器 GQT-C2401SAWZなら、設定湯量でスピードお湯張り。(浴槽が180リットル、水圧が350キロパスカル、水温は15度から40度へ、樹脂管の直径が10ミリで長さが5メートルの場合)
家庭用のふろ給湯器と比較して、お湯はり時間を約2分の短縮しました。(差し湯温度は50度、やけど防止のため、差し湯の温度は50度に設定)
湯量は、大幅な水位上昇を防止するため20リットルに制限。
▼不要な操作防止・リモコンのシルバーロック
つい間違ってリモコンを操作しようとしても設定が変わることがないように、リモコン(操作盤)はロック機能を搭載しています。
操作はカンタン。ロックスイッチを2秒間の長押しで設定と解除が可能です。
▼長湯防止の入浴タイマー
長時間のお湯にひたっていると、ふらつきや意識障害を起こすリスクが高まります。一般に高齢者が浴槽にひたる時間は3分~5分程度とされてますから、それより長いのは要注意。
ガスふろ給湯器 GQT-C2401SAWZは、入浴時に入浴タイマースイッチを押せば、リモコンの液晶画面で入浴の残り時間が1秒刻みでリモコン表示がカウントダウン。
設定した時間がたつとアラームでお知らせ。のぼせるリスクを減らせます。
●低いランニングコスト
業務用高効率ガスふろ給湯器 GQT-C2401SAWZは、ガスを熱に変える効率が高いエコジョーズ仕様。
少ないガス量で効率よくお湯を沸かす省エネ性の高い給湯器です。エコジョーズとは、今まで捨てられていた排気熱を再利用する機能を備え、従来では給湯熱効率が約80%程度だったところを、95%程度に向上させています。
だからガス料金の節約に繋がるのです。
同条件でエコジョーズではない家庭用ガスふろ給湯器と比較した婆合い、ランニングコストは年間で約7万円も低くなるという試算もあります。
給湯器の操作盤にバリアフリーやユニバーサルデザインの思想を取り入れた機種は、いままでも存在しましたが、使用現場が介護施設の個浴をターゲットにしたと唄う機種は、これが最初。日本初というか、たぶん世界初ではないしょうか。
超高齢社会への対応にガス器具メーカーもうかうかしてられないから生まれた製品といえば味気ないですが、企業市民として、社会的責任を果たしたゆえの製品とも呼べるので、こういえば聞こえは格好いいですよ。