やめないで!ヒロ寺平氏引退表明

ネットで衝撃的なニュースに出くわしました。

関西の大御所ラジオDJのヒロ寺平氏が、今年の9月30日をもってラジオDJから引退すると、今日、自身の番組のなかで明らかにしたと伝えていたのです。

ぼくは彼を知ったのは、FM大阪の番組『ラジオ・パパ』のパーソナリティをなさっていたときからですから、もう40年近く前。

ネイティブと変わらない英語力と、音楽に対する深い知識、世相について語るときは、決して偏らない視点を保ち続けたことに敬意を表します。

メジャーな曲しか流さない番組が多い中で、自身が選曲した音楽を聴かせてくれる希有なDJさんでした。

ヒロ寺平 氏
出演していたFM802番組の『FRIDAY AMUSIC ILANDS』や『HIRO T’S MORNING JAM』、FM COCOLOでの番組『HIRO T’S AMUSIC MORNING』で、他では聴けない音楽やミュージシャンを教えてもらった僕として、音楽の先生みたいなひとでした。

その昔に彼が番組の中で、自分がいまは無きギターメーカー、ヤマキの御曹司さんだった番組の中で語っていたのには驚いたことがあります。僕が高校生のときヤマキは憬れのギターブランドにひとつだったからです。

そういう生育環境だったからこそ、アメリカのロックミュージックやジャズに造詣が深くなったのだろうと思います。

引退理由は体力や気力の問題ではなく、ラジオ業界を取り巻く環境の変化があったと語っていたと、ネットの記事でしりました。それは彼らしいところだと思います。

以前、さる放送関係者に聞いたところによれば、ヒロ寺平氏は、「めーっちゃ仕事に厳しい人」だと語っていましたから、自分で納得のいく仕事がもうできないと悟ったために、身をひく道を選んだのだと思います。

音楽番組といってもDJの語りが抜群に面白いし、博識だし、また番組でかける音楽のリミックスも自分でなさっていたようですし、同じ音楽でも彼の番組で聴くとほかとは違う音が鳴っていたので、音楽番組にかける情熱は人一倍強かったのに違いありません。

このようなDJは、今後はもう出現しないのではないかと思えています。

東京と大阪では放送の文化が、ずいぶんと違いますが、ラジオ番組は大阪のほうが圧倒的に面白いというのが僕の感じるところで、そのラジオDJの中でも、圧倒的に密度の濃い語りができるスターが、もうじきいなくなるとは、とても寂しい限りです。

大阪的なものが、またひとつ失われそうな喪失感は、呆然とするほど大きく、ヒロ寺平の声が聴けなくなるなんて、悲しくてしようがありません。

できれば、引退を撤回してほしいくらい。

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